遠い場所

本当に遠く迄来てしまった。

IrelandはDublinにいる。
気が遠くなりそうな程の搭乗時間(体感)、
トランジットでの「人種の全てを見た」と思う程の、掃き溜めの様な人々の様や、
機内食トルコ料理も口に合わず、それでも飛行機は凄い速度で目的地迄止まらない。
「遠い場所に行くという事は、こういう事なのよ」という
一抹の淋しさ、激動の感情の洗礼を次々に受け、
機内で早速ホームシック、軽いノイローゼになってしまった。
狂いそうな気を必死に鎮めた。
人というものに、ここまでの淋しさがあるのかと。
激情だが、良い経験だ。

淋しさと恐怖、不安がどっと押し寄せて来た。
こんな時、何も考えないとか、楽しい事を考える事が出来ない自分は、
本当に病気の様だ。
妄想が止まらなかった。

宿にあり着き、この孤独に耐えようと思った。
明日になれば状況も変わり、楽しい事もあろう、と。


生憎今日は、韓国人のコンテンポラリーアートで食べている女性に声を掛けられ、お茶をしたり、ウィンドウショッピングをし、半日行動を共にした。
孤独感が随分癒された。
(アーティストに縁があるなぁ…)
自ら厳しい道(孤独)を選び、孤独を克服しようとし、逞しく自由に生きている彼女の姿が、
たまらなく美しく、魅力的だった。

結局一人で考えているばかりでは、怖がるばかりでしょ、私。
一人では弱音しか無い、弱い自分なのだ。
人との縁に、かろうじて正気を保っている。
止まってしまったらさらわれてしまう波なのだ。