帰国から1年

今日で帰国して丁度1年経った。

帰国した日の事を思い出す。
乗り換えの便が5時間遅れ、ドーハの空港で待ちぼうけくらった。
白装束のアラビアン達に紛れ、薄暗い仮眠室の簡易ベッドで、
帰国してからの事を思って絶望していた。
関西空港の両替所で、たったの数百euroを円に替え、
今日何処で寝るか、途方に暮れていた。

あれから1年。
余り一般的ではないが、ここでこんな風に暮らせていて、
仕事も安定するなどと思ってはいなかった。
今もまぁまぁ「独自」に生きている。
「独自」に、「変人的」に、「改革的」に生きなければ、
自分ではない、と悟っているつもりだ。

自分の出逢う人、
仕事の仕方、
職場での扱われ方、
遭遇する出来事、
どれを取っても変わっている。

「自分が自分で有る事の強烈さが、他者のインパクトをもたらす」
どこで拾ったのか、この言葉が好き。

ここがBerlinではなくても、
愛した人と居れなくなっても、
私はここ(日本)で、
この精神と共にあるから、
確信している。

たとえ日本に居ても、
私の今居るところがBerlinになり、
再び人を深く…愛する事が出来ると。
人生をもう1度(とは言わず何度も)輝かせる事が出来ると。

最近、SchubertAve Mariaばかり聴いている。
本当に、聞き飽きる事がない。
この歌声を部屋に響かせれば、ここがSanctuaryになる。
ここがBerlinになる。

2014年のハロウィンの夜、
大麻で煙った部屋から、この曲が聞こえた時、
「この人(彼)は本当に美しい」と思ったんだ。
夢のように美しかったんだ。

何も変わっていない、と確信する。
今いる世界を美しいと感じるならば。